プチ東洋医学講座 ~どうして鍼が効くの?~金子ブログ
長年鍼灸師をやっていると、「どうして鍼が効くの?」という質問をされることがあります。
確かに注射や採血のために針を刺すのはわかるけど、ただの金属の鍼を刺すことがどうして病気の治療につながるのかなと疑問に思うのは当然かもしれませんね。
実は、鍼は「気」という生命エネルギーを扱うものなんです。「気」が巡らないと血液も巡らないし、内臓の働きも鈍ってくるんですね。
体の生理機能や自然治癒力がうまく働くためには五臓六腑や経絡という「気」の通り道に「気」が充実して流れていなければならないんです。例えると川の流れのようなもので、水量が不足してもダメだし、水量はあっても流れが滞って淀んでいたら身体という大地を潤せなくなります。
そこで鍼の出番になるんですが、鍼は本来、五臓六腑や経絡の「気」の不足や滞りを解消するためのものなんですね。
流れが不足しているツボに鍼を入れると体が金属という異物に反応して、「気」を集中させます。術者は指の感覚で感じるのですが、鍼先には「気」が集まってくる感覚がでてきます。その結果、不足していた流れに関連する内臓機能の活性化がおこります。
逆に、「気」の流れの滞りに対しては詰まっているツボに鍼を入れて「気」を散らして流してあげなければなりません。滞りが解消すると、滞っていた流れに関連する内蔵機能や体の生理機能がまた正常に働きだします。
このように、鍼は「気」の流れの不足や滞りを解消することによって五臓六腑の生理機能の弱りを改善して自然治癒力を活性化をしていきます。「気」の流れが良くなれば、身体の生理機能が正常に働いて病気は快方に向かっていくことになるわけですね。